敷地条件や事業性から、高密化せざるを得ない都市の集合住宅において、アプローチの独立性などの長屋の長所に着目する一方、法規や条例で消極的に生まれる物理的隙間を、「触れ合うことも避けることも選べる幸福な距離感」に変換し、長屋ならではの特性を引き出そうと試みました。
住戸計画は、既存の桜・北側の眺望・東側の景観、南面採光、南北通風など、敷地の持つ特長・住戸が求める自然条件を取り込み、それらを各住戸全てが享受出来るよう、立体的に効率よく分割しました。また、場合により隣人と触れ合ったり避けたり選べるよう、各住戸には必ず2つ以上のアプローチを与えました。