手紙や本など、モノは合理性により急速にデータ化が進むが、モノ自体にもやはり価値があるかもしれない…。データとモノを比較する視点を、建築家とデザイナーが共に提起したストリートパフォーマンス。ZINJANTHROPUSBOISEIとの授業課題第2弾で、今回は東洋建築学生に千葉大工業デザイン学生を加え、横浜ランドマークで架空製品をPRし、買物客の反応を見ました。
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DINARY社の情報部門、DINARY EQUALは、モノを完全に元素解析しデータ化するエンコーダーと、データから3次元元素配合でモノを完全復元するデコーダーとの「O.E.D.システム」を開発、新製品"Happy Life"に搭載した。同社はモノを情報化すれば、思い出から暮らしまで、「壊れる」「腐る」などの空間・時間的制約から解放しうると信じる。この機械はモノの劣化状況まで完全復元し、オリジナルとコピーの区別はなくなるため、「モノ」とは一時的なアウトプットに過ぎないことになる。
(例えば彼女の焼いたケーキも"Happy Life"にかければ、いつでも何度でも同じ味と温かさで、彼女の優しさを味わえるのだ…)
そこになお違和感が残るなら、それこそが「モノの現存≧(大なりイコール)「還元データ」と言える僅かな可能性なのである。