9年を通じ個性や学力を丁寧に伸ばしつつ、異なる体格や行動範囲に応じる小中一貫校にふさわしい、「分けつつ繋ぐ建築」の提案。
線形の物体がもつ"ある地点をつなぐ際、自動的に左右に領域を分ける特性"に着目し、校舎自体を綱のようにループさせ、教室間をつなぐ機能を第一義としつつ、同時に屋内外に9年間の日常を支える、異なる個性の庭や広場をも生むことを狙いました。
また、県産木材を徹底的に活用し、「学校を維持することこそが産業や地域をつなぐと、竣工後も皆が「木」を媒介として自然に感じられるよう、将来の維持管理を含めた材料計画としました。
「木」によって児童・生徒をつなぎ、教科・学校をつなぎ、地域や産業の未来をつなぐ、一本の力強い「綱」のような学校、まさに「キヅナ(木綱)の学校」の提案です。